VIVANTで富栄ドラムさんがしゃべらない理由は、本人が日本語を話せないからではありません。スマホの音声で会話するドラムという役柄と、放送中に守っていた役のイメージが関係しています。
頼もしい体格と愛らしい声の組み合わせに、声は誰なのか、普段はしゃべれるのかと気になった人も多いでしょう。富栄ドラムさん自身は、ラジオやインタビューで日本語のトークを披露しています。
この記事では、ドラマの設定と監督の狙い、林原めぐみさんが担当する音声を整理します。国籍や本名、相撲を引退した経緯、YouTubeから俳優へ進んだ歩みも紹介します。
富栄ドラムがしゃべらない理由と声の疑問を解説
- VIVANTでドラムが話さないのは役の設定
- 監督が語ったチューバッカとスマホの発想
- 翻訳アプリの声は林原めぐみさんが担当
- 本人はしゃべれる?ラジオで披露した生声
- 演技や声質が理由という説はどう捉える?
- スマホで話す場面を楽しむ三つの見どころ
VIVANTでドラムが話さないのは役の設定
まず押さえたいのは、肉声を使わずスマホ音声で会話する役柄だということです。富栄ドラムさんの日常の話し方と、作品の中での振る舞いを分けると疑問が整理できます。
日本語を聞いて理解する人物として登場
2023年放送のVIVANTでは、ドラムは阿部寛さん演じる野崎守を助ける存在として登場します。日本語の会話を理解する一方、自分の口から日本語を話す形では受け答えをしません。伝えたい内容はスマートフォンの音声を通じて相手に届けます。
そのため、野崎から指示を受けて動いたり、相手の言葉に反応したりしても不自然ではありません。聞いて理解することと、自分の声で話すことが別に描かれているからです。会話が分からず黙っている人物という受け取り方では、劇中の働きぶりをつかみにくくなります。
声を出さなくても会話へ参加している
ドラムの意思表示は、スマホから流れる言葉だけではありません。相手を見つめる目、口元の動き、うなずきなども重なって、一つの返答になっています。映像では本人の反応を見ながら音声を聞くので、端末がしゃべっていても、ドラムが会話をしていると感じられるのです。
野崎との関係も、セリフの量だけで成り立つものではありません。必要な場面で働く姿や相手の反応を通じて、頼れる相棒としての立ち位置が伝わります。話さないことが人物の不在につながらず、むしろ画面の中で目を引く特徴になっています。
役の特徴から本人の事情を決めつけない
一方で、ドラマの表現だけを見て、富栄ドラムさんも声を出せないと考える必要はありません。本人は日本語でインタビューに答え、ラジオにも出演しています。役の会話方法を、そのまま俳優本人の発声や語学力の説明へ置き換えると誤解が生まれます。
また、日本語を話さない設定から、特定の病気や過去の出来事まで想像で補うのは避けたいところです。登場人物の背景には物語として楽しむ余地がありますが、俳優の健康についての説明とは別の話。まずは、劇中で誰が何を理解し、どう伝えているかに注目すると、ドラムの役割をすっきり捉えられます。
監督が語ったチューバッカとスマホの発想
制作側の狙いを知る手がかりは、福澤克雄さんの説明にあります。ドラムのモチーフになったのは、スター・ウォーズに登場するチューバッカのような相棒の存在でした。
言葉以外でも印象に残る相棒を目指した
福澤克雄さんは2023年10月の金スマで、ドラムを作るうえでチューバッカを求めていたという趣旨を話しています。さらに慶應MCCの講演でも、VIVANTにスター・ウォーズのモチーフを取り入れたことに触れています。ドラムは、その発想が人物の形になった一例です。
ここで面白いのは、見た目をそのまま再現したという話ではないこと。相棒としての存在感や、普通のセリフ回しとは違う形で印象を残す役どころが、ドラムを見る手がかりになります。体格だけを比べるより、物語の中でどんな存在を置きたかったのかを考えると、監督の発想に近づけます。
通訳を挟むと話が進みにくくなる
ただ、映像作品の会話には進み方があります。福澤さんは、声を出した後に誰かが通訳するやり方では、やり取りのたびに説明が必要になり、話が進みにくくなると語っています。言葉を使わない相棒を置きたい思いと、ドラマを円滑に進めたい思いの両方があったわけです。
そこで選ばれたのが、ドラム自身は話さず、携帯電話から言葉を出す方法でした。別の登場人物に毎回説明させなくても、視聴者へ内容を伝えられます。身近なスマートフォンが、個性的な人物造形と会話の分かりやすさをつなぐ道具になったのです。
演出の発想と物語の謎は分けて楽しむ
この説明で分かるのは、なぜ制作側がスマホで話すキャラクターを選んだのかということです。登場人物がそれまでどんな人生を送り、なぜその会話方法になったのかという物語の背景を、すべて説明したものではありません。同じ、しゃべらない理由という疑問にも、作り手の狙いと人物の来歴という二つの入り口があります。
また、監督の発言を知ると、話さない設定を単なる制約として捉える必要がなくなります。スマホを介する間と、富栄ドラムさんの反応が組み合わさって成立する役なのです。再び見るなら、音声が流れる前後の目線や表情にも注目してみてください。セリフだけを追ったときとは違う人物の動きが見えてきます。
翻訳アプリの声は林原めぐみさんが担当
ドラムのスマホから聞こえる声を担当しているのは、声優の林原めぐみさんです。富栄ドラムさん本人の声を機械で高く変えたものとして受け取ると、出演者の役割を取り違えてしまいます。
画面の芝居と音声を二人が担っている
富栄ドラムさんは、表情や体の動きでドラムを演じています。一方、スマートフォンを通して聞こえる言葉は林原めぐみさんの担当です。画面では一人の人物が意思を伝えていますが、その表現には俳優と声優のそれぞれの仕事が重なっています。
TBSの出演案内でも、富栄ドラムさんと林原めぐみさんは別々に紹介されています。役名としてのドラム、演じる富栄ドラムさん、スマホ音声の林原さんという三つを覚えておくと、名前と声が混ざりません。本人のインタビューを初めて聞いて声が違うと感じるのも、担当が異なるためです。
アプリという設定と音声の制作は別の話
劇中では、スマートフォンの翻訳アプリを使った会話として描かれます。ただし、登場人物が使う道具の設定と、ドラマの音声を誰が演じたかは別です。アプリから流れるように聞こえる声でも、作品では声優が担っています。翻訳アプリという言葉だけから、市販アプリの標準音声だと判断することはできません。
同じ理由で、普段使っている翻訳アプリを開けば、そのまま同じ声を選べるとも限りません。ドラムの声を知りたい場合に、まず答えになるのは音声を担当した人の名前です。端末の機種やサービス名を推測するより、作品の出演情報を見る方が疑問に直接つながります。
かわいい音声に表情の方向も合わせた
富栄ドラムさんは、翻訳アプリの声のイメージに合わせた芝居を意識したと話しています。目を開き、口角を上げた朗らかな表情を保つことで、音声と顔の印象をそろえていたそうです。大柄な人物とかわいらしい声という組み合わせだけでなく、両者がちぐはぐに見えないようにする工夫もありました。
音声だけを聞いた印象と、映像と一緒に受け取る印象が変わるのは、こうした芝居が重なるためでしょう。ドラムが画面にいるときは、スマホの発話中も本人の顔が止まっているわけではありません。林原さんの声が内容を運び、富栄さんの表情が気持ちを添える。その組み合わせを楽しめるのが、この役ならではの面白さです。
本人はしゃべれる?ラジオで披露した生声
富栄ドラムさん本人は、日本語で話せます。役柄の沈黙は、本人が発声できないという意味ではありません。その違いがはっきり伝わった機会が、2023年9月26日のTBSラジオ出演でした。
パンサー向井のふらっとで日本語のトーク
富栄ドラムさんは、TBSラジオのパンサー向井の#ふらっとに生出演しました。番組では自分の声であいさつをし、力士時代やオーディション、VIVANTの撮影現場について話しています。聞き手と日本語でやり取りしており、スマホ音声を借りなければ会話できない人ではないと分かります。
番組側はこの出演を、VIVANT出演以降、テレビ・ラジオを通じた初の声出しとして紹介しました。生声を初めて聞いた視聴者が驚いたとしても、その日に初めて話せるようになったという意味ではありません。作品で知られた姿と、普段の本人の話し方が、広く結びついた機会と捉えると自然です。
放送中は役のイメージを大切にしていた
ラジオで富栄さんは、最終回まで視聴者に楽しんでもらうため、役のイメージを守ってきたと説明しています。バラエティー番組に出ても、自分の声で話すことを控えていたそうです。ドラマの外でも無言の姿が続けば、本人もしゃべらないのかと気になるのは無理もありません。
ただ、その振る舞いには作品を楽しんでほしいという意図がありました。ドラマの中で成立しているドラムの印象を、放送中の別番組でも大切にしていたわけです。役の設定だけでなく、作品の外での見せ方も重なったことで、しゃべらない人というイメージが強くなったと考えられます。
声を聞くときは出演時期も見ると分かりやすい
その後も富栄さんは、日本語でインタビューや番組の質問に答えています。たとえば2023年11月のTOKYO FM出演では、芸名を決めた経緯や笑顔の練習について語りました。ドラマのキャラクターとして見せる姿と、俳優として自分の経験を説明する姿では、使う表現が違います。
そのため、短い動画だけで現在も話さないと受け取るより、いつ、どの作品の関連企画で登場したものかを見ると理解しやすいですよ。2023年放送中の番組映像と、後日のトークを並べても矛盾はありません。どちらも富栄さんの仕事の一部であり、場に合わせて役のイメージと本人の言葉を使い分けていたのです。
演技や声質が理由という説はどう捉える?
ネットでは、演技経験が少なかった、声の印象が違ったなどの説明も見かけます。ただ、本人が抱いた不安と、監督が設定を作った理由は別です。一つの事情にまとめると、作品作りの話が変わってしまいます。
経験が浅いことと配役の失敗は同じではない
VIVANT出演当初、富栄ドラムさんの俳優としての経験が多くなかったことは、本人もインタビューで話しています。主要キャストに加わり、経験豊かな共演者と芝居をすることになったのですから、大きな挑戦だったのでしょう。けれど、経験の少なさだけで、セリフを任せられなかったと結論づけることはできません。
そもそもドラムは、監督が考えた独特の表現を担う役です。話さない人物にするという構想や、スマホを使って物語を進める工夫を抜きにして、演者の弱点だけから説明するのは一面的です。配役された人物が何をできなかったかより、どんな役をどう演じたかを見る方が、作品の特徴を理解できます。
声の印象を気にした本人の話はある
富栄さんはSportivaのインタビューで、林原めぐみさんの声が印象に残っている人に、自分の声をどう受け止められるか不安があったと話しています。これは、作品の反響を受けた本人の気持ちです。役の音声が知られた後に、生声を出すことを気にしたという流れになります。
この発言を、声が合わなかったために役の設定を変えた証拠として読むのは順序が違います。視聴者の持つ印象を心配する話と、制作の初めに会話方法を決める話は、起きている場面も目的も異なるからです。本人の率直な不安は、その内容のまま受け止めたいところですね。
セリフのない役でも演技の課題はある
言葉を発しない役なら演技が簡単になる、とも限りません。相手のセリフを聞いて何を感じたか、自分がどんな気持ちで動くかを、視線や姿勢で見せる必要があります。ドラムの場合は、スマホ音声が流れている間にも、その人物として画面にいなければなりません。
富栄さんは笑顔を練習し、声のイメージに合う表情を工夫しています。共演者から学ぶ機会もあり、セリフがないから練習も要らなかったという役ではありません。演技力を評価する際も、話さない設定そのものを否定的な根拠にするのではなく、表情、反応、相手とのやり取りがどう成立しているかに目を向けると、見える部分が増えます。
スマホで話す場面を楽しむ三つの見どころ
ドラムの会話は、言葉が流れるところだけを見ても完結しません。入力する手元、相手を見る顔、音声が出る間を一緒に追うと、スマホを使った芝居の面白さに気づけます。
手元の操作も人物の動きとして見る
ドラムは、自分の声で返事をする代わりに端末を使います。そのため、一般的な会話場面にはない、スマートフォンへ意識を向ける動きが加わります。視聴者は画面の文字をすべて読まなくても、操作する姿から、何かを伝えようとしていることを受け取れます。
ここで役と本人の違いも面白いところです。Sportivaの本人インタビューには、普段のスマホの文字入力は遅いという話があります。劇中で端末を扱う姿だけを見て、本人も日常から同じ速さで操作していると想像する必要はありません。普段の得意不得意とは別に、人物の動きとして見せているのが芝居です。
発話の前後で相手との関係が見える
音声が流れる前には相手の言葉を受け止め、流れた後には相手の反応を受けます。ドラムがどちらを見ているか、相手が端末ではなく本人に返しているかなどを見ると、会話が機械同士のやり取りになっていないことが分かります。スマホは道具でも、場面の中心にいるのは登場人物です。
野崎のように信頼関係のある相手と一緒にいるときは、説明の言葉以外にも関係性が表れます。大きなセリフを任されていなくても、聞く側の反応は場面の調子を変えます。主役が話している最中のドラムにも目を向けると、誰がどんな距離感でそこにいるのかを味わえます。
翻訳の仕組みと映像の表現を混同しない
実際に翻訳アプリを使った経験があれば、どの言語を入力しているのか、なぜこのタイミングで声が出るのかと気になるかもしれません。ただ、映像の会話場面は、登場人物の気持ちや物語の流れが伝わるように作られています。スマホ画面に見えない手順まで、現実のアプリと一対一で対応させる必要はないでしょう。
また、ドラマの音声担当が分かったことから、音声を再現する製品や機能まで決めつけることもできません。作品の道具としての翻訳アプリと、実際に使えるサービスの性能は別に考えると迷いません。音声がどこから出るかを理解したうえで、顔と動きに戻って見ると、ドラムという人物の表現をより楽しめます。
富栄ドラムがしゃべらない理由から知る経歴と現在
- 国籍や本名は?神戸出身の冨田龍太郎さん
- 元力士の経歴と相撲を引退した理由
- エキストラ応募からドラム役へ抜てき
- かわいい表情を生んだ笑顔と目線の工夫
- YouTubeの発信と俳優への挑戦
- 現在の活動は舞台からVIVANT続編へ
国籍や本名は?神戸出身の冨田龍太郎さん
富栄ドラムさんは、兵庫県神戸市出身の日本人俳優です。本名は冨田龍太郎さん。バルカで働くドラムという役柄と、本人の出身地を分けると、国籍についての疑問も整理できます。
日本相撲協会に残る基本プロフィール
富栄さんは1992年4月11日生まれです。日本相撲協会の力士プロフィールには、本名の冨田龍太郎さん、出身地の兵庫県神戸市北区、生年月日などが記載されています。2026年4月の誕生日で34歳になりました。芸能活動より前の記録からも、本人の歩みをたどれる人です。
力士時代の四股名は富栄で、読み方は、とみさかえ。俳優としての名前を初めて見たときは、富栄までが名字なのか、ドラムが本名なのかと迷うかもしれません。相撲の名と役名が合わさっていることを知ると、独特な芸名も覚えやすくなります。
役の舞台から俳優の国籍は決まらない
VIVANTでは、バルカを舞台にドラムが活躍します。海外の風景や衣装、肉声を使わない会話が重なるため、演じる人も海外出身なのかと気になることはあるでしょう。しかし、作品の舞台はフィクションの設定であり、出演者本人の出生地や国籍の説明ではありません。
富栄さんは、自分の体や表情を使って役の世界に入っています。日本語を自分の口で話さないのも、その役の特徴です。外国の人物を演じることと、日本人として生まれ育った経歴は両立します。見た目や衣装、名前の響きだけから出身を決めず、本人のプロフィールと作品内の人物紹介を分ければ、混乱しにくくなります。
ドラムという芸名に込めた出発点
2023年11月のTOKYO FM出演で、富栄さんは芸名を決めた経緯を話しました。スタッフと相談した際の姓名判断に加え、VIVANTが役者としてのスタート地点であり、行き詰まったときにも初心へ戻れるようにしたという思いを語っています。単に役の人気に合わせた名前と片づけられない背景があります。
本名は本人の名前、富栄は相撲を通じて知られた名、ドラムは俳優として大きな転機になった役名です。この違いを知ると、プロフィールが一つの流れでつながります。別人の経歴が混ざっているわけではなく、人生の段階ごとの名前が、現在の富栄ドラムという芸名の中に残っているのです。
元力士の経歴と相撲を引退した理由
富栄ドラムさんは、伊勢ヶ濱部屋に所属していた元力士です。最高位は幕下6枚目で、2021年3月場所を最後に現役を引退しています。俳優になる前には、長い土俵生活がありました。
2008年の初土俵から幕下へ進んだ
日本相撲協会の記録では、初土俵は2008年3月場所です。四股名は冨田から富栄へ変わり、伊勢ヶ濱部屋で相撲を続けました。2008年から2021年までという期間を見ると、テレビで広く知られるずっと前から、別の世界で努力を重ねていたことが分かります。
最高位の幕下6枚目は、十両の一つ下にある幕下の上位です。幕下という名前だけでは実力の位置づけをつかみにくいかもしれませんが、関取である十両に近いところまで番付を上げています。元力士という肩書だけでなく、どこまで進んだ人なのかを知ると、競技生活の重みも伝わります。
引退の経緯にはけがの影響があった
Sportivaの本人インタビューでは、けがの影響で2021年に引退した経緯が紹介されています。相撲を離れたことを、最初から俳優に転向するための予定だったように捉えると、その歩みを単純にしすぎます。力士として続けた時間と、新しい仕事へ進む決断の間には、競技生活を終える事情がありました。
一方、けがで引退したという経歴から、現在の発声や健康状態まで推測することはできません。相撲を引退した理由と、VIVANTで声を出さない演出は別の話です。過去のけがを、ドラマの会話方法を説明する原因としてつなげないことが大切になります。
競技で培った体の使い方は別の表現へ
力士時代に体を使って勝負してきた人が、今度は画面の中で表情や動きを伝える側になりました。土俵と撮影現場は同じ仕事ではありませんが、体をどう見せるかという点から経歴を見ると、転身の面白さがあります。ドラムの大きな体格だけでなく、動きの存在感にも目が向くはずです。
ただし、相撲経験だけで演技のすべてが身についたわけではありません。富栄さんは笑顔を練習し、共演者から芝居を学び、新しい場で必要な表現を覚えています。以前の強みを持ちながら、新しい仕事にも学ぶ姿勢で向き合ったことが、元力士という肩書の先にある俳優の歩みです。土俵の経歴と出演作を合わせて見ると、その変化を楽しめます。
エキストラ応募からドラム役へ抜てき
VIVANTへの入り口は、最初から主要キャストの役を狙ったものではありませんでした。富栄ドラムさんはバルカ警察のエキストラに応募し、そこからドラム役へ進んだと語っています。
オーディションで別の役へ話が広がった
2023年11月のTOKYO FM出演で、富栄さんはバルカ警察のエキストラを受けるため応募したと明かしました。その場で福澤克雄さんから、もっと合う役があるという趣旨の言葉をかけられ、ドラム役につながったそうです。当初の応募内容と、実際に演じた人物が大きく変わった例といえます。
ドラムは、野崎の相棒として物語の中にいる役です。画面の背景にいる人物から、主人公たちとやり取りをする人物へ、担う仕事の範囲が変わりました。俳優としての経験が浅い富栄さんにとっては、選ばれた後に何を身につけるかも大きな課題になったのでしょう。
撮影前から現場に慣れる時間があった
TBSラジオでは、撮影が始まる約1か月前からスタッフと時間を過ごさせてもらったことも話しています。スタッフを仲間にして、緊張しにくい環境を作るという監督の配慮があったそうです。衣装合わせに来る俳優へ、スタッフと一緒にあいさつする機会もありました。
大きな役に選ばれたという結果だけで見ると、一度の出会いですべてが完成したように感じるかもしれません。実際には、撮影に入る前から人と場に慣れる準備がありました。共演者との関係を作っておくことも、画面に映る芝居を支える一部だったわけです。
出番の外にも学ぶ機会を作っていた
富栄さんは、出番のない日に監督から現場見学へ誘われた経験も話しています。自分の場面だけをこなして終わるのではなく、ほかの俳優がどう演じ、スタッフがどう動くかに触れていたのです。役をもらった後にも、俳優として仕事を続けるための学びが続いていました。
堺雅人さんから演技を教わった経験も、後のラジオで語られています。監督から堺さんのセリフを覚えるように言われ、実際に披露してから助言を受けたという流れです。ドラム自身のセリフがスマホ音声でも、本人は声を使った芝居にも取り組んでいました。話さない役に抜てきされたことと、しゃべる演技を学ぶことは、同時に進んでいたのです。
かわいい表情を生んだ笑顔と目線の工夫
ドラムのかわいらしさは、体格と声の組み合わせだけではありません。富栄ドラムさんは、笑顔や目の開き方を練習して役を作ったと話しています。何げない反応にも、見せ方の工夫が入っています。
力士時代とは違う顔を練習した
相撲では相手と向き合う強い表情が必要でも、ドラムには親しみやすい顔が求められました。TOKYO FMで富栄さんは、相撲のころはにらむことが多く、笑顔の作り方が分からなかったと振り返っています。鏡を見て練習し、周囲から演出の指導を受けたそうです。
普段から自然に笑えることと、カメラの前で人物の表情を保つことは、同じではありません。言葉で気持ちを言い足せない役なら、顔の印象が会話の受け取り方に影響します。ドラムの朗らかな姿が当たり前に見えるほど、その前に練習があったという話は意外に感じますね。
音声と顔の印象がそろうようにした
ザテレビジョンドラマアカデミー賞の受賞インタビューで、富栄さんは目をぱっちり開け、口角を上げた表情を意識したと説明しています。翻訳アプリの声に合うイメージを目指し、気持ちで芝居をすることを大切にしていました。顔だけを大きく動かせばよいという考え方ではありません。
声がやわらかく響く場面で顔の反応が全く別の方向を向いていたら、同じ人物の返答として受け取りにくくなるでしょう。反対に、表情と音声が自然につながれば、視聴者は端末の存在を意識しすぎずに気持ちを受け取れます。二つの表現をそろえる意識が、ドラムらしさを支えていたと考えられます。
緊迫した作品に明るさを添える役割
同じインタビューでは、監督から、暗い内容のある作品の中でもドラムによって視聴者を明るい気持ちにしたいという狙いを伝えられたと話しています。笑顔だけでなく、運動神経のよい動きや、おいしそうに食べる姿も求められたそうです。かわいらしさには、作品の空気に関わる役割がありました。
緊張する場面ばかりが続く作品で、安心して目を向けられる人物がいると、見ている側の気持ちにも変化が生まれます。ドラムを見るときは、何を言ったかに加えて、その場の空気がどう変わるかも楽しめます。本人の性格をすべて役と重ねる必要はありませんが、見せ方を工夫して親しみを届けていることは、芝居から受け取れる魅力です。
YouTubeの発信と俳優への挑戦
富栄ドラムさんは、力士を引退した後に動画を発信し、俳優としての機会を広げていきました。YouTubeも転身の過程にある活動で、VIVANTで初めて表現する仕事に触れたわけではありません。
引退後も自分を見せる場を作り続けた
CanCamの本人インタビューでは、相撲を引退した後、今度こそ夢をつかみたいと考え、YouTubeなどへ動画を上げ続けたことを語っています。俳優として大きく知られる前から、自分を見てもらう活動を続けていたのです。テレビで見つけた人にとっては突然の登場でも、本人の取り組みにはその前の時間があります。
動画の発信は、撮影する内容を考え、見る人に届く形にする仕事でもあります。相撲の結果とは別のところで、自分の魅力をどう伝えるかを試せる場になったと考えられます。すぐに大きな役へ直結する保証がなくても、見てもらえるものを作って残してきた歩みがありました。
監督に見てもらうきっかけにもなった
同じインタビューで富栄さんは、アップした動画を監督が見てくれたことが、VIVANTの役を得ることにつながったと話しています。オーディションでの出会いに加え、それまでの発信も本人を知ってもらう入り口になったのです。応募した日だけを切り取るより、活動がつながっていたことが見えてきます。
もっとも、動画を上げた人なら同じ道を進めるという話ではありません。作品に合う人物を探す制作側と、表現の機会を求める本人が出会った、富栄さんの具体的な経験です。動画を出したから必ず成功したと一般化するより、その人を知る手がかりが複数の場所にあったことに注目すると、転機を自然に理解できます。
役の姿とは違う本人の言葉にも触れられる
ドラム役で関心を持った人には、本人が自分の経験を話す姿も新鮮でしょう。ラジオやインタビューでは、相撲での悔しさ、撮影で学んだこと、今後取り組みたい芝居などを日本語で説明しています。役の音声と違うからこそ、本人がどんな言葉を選ぶのかに目が向きます。
YouTubeやSNSを見る際も、作品の宣伝として役の雰囲気を見せている投稿と、本人が活動を伝える投稿では、受け取れるものが違います。短い一場面から無口な性格と決めつけるより、話している内容や投稿の目的を見たいですね。ドラムという役を入り口に、表現する側としての富栄さんを知る楽しみが広がります。
現在の活動は舞台からVIVANT続編へ
富栄ドラムさんの仕事は、2023年のドラム役だけで止まっていません。2024年には初舞台を経験し、2026年にはVIVANT第2シーズンにも出演しています。声を使う芝居と、親しまれた役の両方に取り組んでいます。
2024年は初舞台でセリフのある芝居に挑戦
2024年には、十五少年漂流記を基にした舞台ルールに出演しました。TBS NEWS DIGの稽古場取材では、初めての舞台に向けた意気込みを話しています。VIVANTの無言の役を知る人にとって、自分の声を使って人物を演じる姿は、別の表現に触れる機会になりました。
ゲネプロの取材では、腹から声を出すことや、セリフへ感情を乗せることについての気づきも語っています。テレビのドラム役で得た印象をそのまま持ち込むだけでなく、別の人物として舞台に立つため、声と表情の関係を考えていた様子が伝わります。しゃべれるかどうかという疑問から一歩進み、どう演じるかに取り組んでいるのです。
2026年は本編と少年時代の物語へ広がった
TBSは2026年のVIVANT第2シーズンで、富栄ドラムさんのドラム役、林原めぐみさんのスマホ音声を案内しています。さらに、ドラムの幼少期を描くドラム―VIVANT THE ORIGIN STORY―も展開されました。続編に出るかもしれないという段階の話ではなく、作品として広がっています。
サイドストーリーの制作を語ったTBSのインタビューでは、富栄さんが子役と鏡を見ながら表情を練習し、ドラムらしい姿勢を伝えたことも紹介されています。自分が演じてきた人物の特徴を、別の出演者へ伝える立場にもなっているわけです。長く同じ役に関わることで見えてくる仕事の一つでしょう。
人物の背景と俳優の新しい役を楽しめる
ドラムの過去を描く物語ができたことで、人物の来歴に関心がある人は、本編とは違う角度から作品へ入れます。ただし、過去編があるというだけで、成人後に肉声を使わない事情がすべて説明されたと受け取る必要はありません。物語で描かれた出来事と、その先を想像する楽しみは分けておくと安心です。
一方、俳優としての富栄さんを見るなら、これからも出演作ごとの役名や芝居の違いが見どころになります。ドラム役では表情を中心に、舞台ではセリフも使って、その作品の人物を表現してきました。本人は話せるという答えを押さえた後は、話す役と話さない役で何が変わるのかを比べると、出演作を見る楽しみが増えます。
富栄ドラムがしゃべらない理由の総括
- VIVANTのドラムは自分の肉声の代わりにスマホ音声で会話する役である
- 第1シーズンでは日本語を理解する一方で話さない人物として登場する
- 監督が語ったキャラクターのモチーフはチューバッカである
- スマホ音声は通訳を挟まずに会話を進めるための工夫でもある
- 翻訳アプリの声を担当するのは林原めぐみさんである
- 富栄ドラムさん本人は日本語で話せる
- 2023年9月26日にパンサー向井の#ふらっとで生声のトークを披露した
- ドラマ放送中は視聴者のために役のイメージを守っていた
- 演技経験や声への不安だけを設定の原因と決めつけることはできない
- 本名は冨田龍太郎さんで兵庫県神戸市出身である
- 伊勢ヶ濱部屋の元力士で最高位は幕下6枚目である
- けがの影響を経て2021年3月場所で相撲を引退した
- バルカ警察のエキストラ応募からドラム役へ抜てきされた
- YouTubeでの発信と鏡を使った笑顔の練習にも取り組んできた
- 初舞台を経て2026年のVIVANT第2シーズンでもドラム役を演じている

